
西洋医学と東洋医学の喘息に対する考え方が違います。
西洋医学・・気管支の炎症。よってステロイド剤を使用します
東洋医学・・気管支に痰が溜まる、気管支の浮腫、
なぜ喘息患者さんは起坐呼吸の方が楽なのかというと、東洋医学では痰が胃に落ちやすいと考えています。
お灸治療
深谷鍼灸法に基づいて、気管支の特効穴である喘息穴に多壮灸をします。
また体を見て、肩甲骨間、肩、胃のツボにも色々施灸をしますので具体的なツボは書けません。
寛解期は痰の生成を抑えるために、胃を中心に施灸をします。
漢方治療
漢方治療は少し複雑です。証をきちんと見極めた治療が必要です。
〈咳の状態〉
肺が冷えているのか?熱を持っているのか?
①肺が冷たい(寒邪)
寒いところに行くと咳が出る、薄着だと咳が出る、クーラーの当たりすぎ、動きたがらない、手のひらが乾燥する、温かい飲み物を好む、透明な痰、透明な鼻水→ 肺を温める薬が必要
麻黄湯(痰が少ない)
小青竜湯(炭が多い)
小青竜湯合半夏厚朴湯(半夏厚朴湯は乾かす作用が強いので、陰虚には極短期)
②肺に熱がある、炎症がある(熱邪)
熱くなると咳が出る、食後咳が出る、大笑いしたり興奮すると咳が出る、厚着をすると咳が出る、布団に入ると咳が出る、手のひらが湿っている、活発、冷たい飲み物を好む、色の付いた痰→肺を冷ます薬が必要
麻杏甘石湯(痰が少ない)
五虎湯(痰が多い)
五虎湯合半夏厚朴湯(半夏厚朴湯は乾かす作用が強いので、陰虚には極短期)
〈痰の状態〉
湿ってるのか?乾燥しているのか?
③湿っている
痰が多い、痰がでやすい、痰が出ると楽になる、ゴホゴホ→肺を乾かす薬が必要
小青竜湯
小青竜湯合半夏厚朴湯(半夏厚朴湯は乾かす作用が強いので、陰虚には極短期)
④乾燥している
痰が少ない、痰がでにくい、コホコホ→肺を潤す薬が必要
麦門冬道
麦門冬道合麻杏甘石湯
この4つの証を見極めた処方が必要となります。
が実際は、寒邪と熱邪が混ざっているケースが多いです。(寒熱狭雑、寒熱往来)
小青竜湯合五虎湯
麻黄湯合麻杏甘石湯
と2剤を併用します。
いろいろやっても効かなく、吸う事が困難な時
六味丸 麦門冬道
寛解期
「脾は気血を生む源」ですが、間違った食生活、お腹が弱い人は「脾は生痰の源」となります。よって寛解期は痰を作らない生活、漢方が必要となります。
六君子湯(気虚痰湿)、人参湯 大建中湯(気虚陽虚)、麦味地黄丸(気虚、陰虚)
そのほかの漢方薬
参蘇飲(気虚湿痰の風寒咳嗽)・・食欲がなく、元気がない寒い痰(寒痰)
神秘湯(肝気鬱血の咳嗽)・・イライラ、打つを伴うストレスからくる咳
このように漢方薬は患者さんの症状にあった処方を行います。
とても理にかなった治療法です。
薬を減らしたい方、根本治療をご希望の方、ご連絡をください。
喘息の罹患期間によっては、治療が長期必要なことがございます。
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